ヨーゼフ・ボイスの「社会彫刻」とは?簡単に解説!代表作《7000本の樫の木》も紹介
20世紀の代表的な美術家であるヨーゼフ・ボイス。
ヨーゼフ・ボイスの大きな功績に「社会彫刻」概念の提唱があります。
美術用語は理解の難しいものが多いですが、
「社会彫刻」を理解すると、「芸術」「アート」への視点は
大きく変わります。
芸術家が作品のみでなく、生き方も面白い理由。
これは生き方そのものを芸術としているからです。
ヨーゼフ・ボイスと「社会彫刻」を知ることできっと分かるはずです。
そして、「社会彫刻」が分かれば、あなたの中の芸術も目覚めるかもしれません。
ヨーゼフ・ボイスとは?
プロフィール
- 誕生:1921年5月21日
- 死没:1986年1月23日
- 出身:ドイツ、クレーフェルト
- 活動地:ドイツ
- ジャンル:現代美術家、彫刻家、教育者、音楽家、社会活動家
- 代表作:《How to Explain Pictures to a Dead Hare》(1965年)、 《FeltSuit》(1970年)
- 影響を受けた人物:ヴィルヘルム・レームブルック(1881-1919)、ルドルフ・シュタイナー(1861-1920)
何をした人?
映画『ヨーゼフ・ボイスは挑発する』が2017年に公開されました。
ヨーゼフ・ボイスは芸術そのものを変えた作家です。
ヨーゼフ・ボイスの有名な言葉に
「人はみな芸術家である」というものがあります。
「社会彫刻」「拡張された芸術概念」
という概念を提唱したことが有名です。
第二次世界大戦後より本格的に芸術を学び、
アーティストの組織であるフルクサスに参加しました。
そこで多くの芸術分野と関り、
オブジェを制作し、パフォーマンスを演じる
制作方法を行い始めます。
その後、芸術の考え方を社会に向け、
・教育活動、自由国際大学の設立
・政治活動、「緑の党」の結成
・自然保護活動
・アートプロジェクトの創出
といった政治・教育・社会への業績を多く残しました。
自由に生きることがアートだと訴え、活動したのです。
社会彫刻とは?
ヨーゼフ・ボイスの提唱した『社会彫刻』は
「社会は彫刻作品、誰もがその創造に参加できる」という考え方です。
国や町、仕事、教育、政治などといった社会は
誰かに決めれたものではなく、
人々が意思をもって作ってきたからこそある彫刻作品であるということです。
つまりヨーゼフ・ボイスの行った政党の結成や自然保護活動も
社会を作るという彫刻作品であるということです。
社会彫刻の代表作《7000本の樫の木》
「社会彫刻」の概念を受けた代表作として
《7000本の樫の木》(1982-1987)という作品があります。
これはドイツの市カッセルにて,
7000体の彫刻を販売して資金を集め、
その資金で7000本の植林をするという作品です。
これはアートプロジェクトの始まりであり、
現在も地域活性のための芸術祭など、アートの制作過程や
作品による社会への効果を狙った取り組みとして行われています。
ヨーゼフ・ボイスは1986年に亡くなってしまったため、
完成を見ることはできませんでした。
この制作期間である晩年、ボイスは
日本を訪れています。
7000本のうち1000本は日本人からの
寄付によるものであったそうです。
↓日本在日の様子はこちらで示されています。
BEUYS IN JAPAN ヨーゼフ・ボイス よみがえる革命 | 水戸芸術館現代美術センター |本 | 通販 | Amazon
まとめ。筆者より。
誰もが芸術家であると捉えたヨーゼフボイスの業績の1つ
「社会彫刻」についてお話しました。
絵を描く、音楽を作るということができなくても
自分の人生や社会を自分の意志で作る気持ちをもち、行動すれば
あなたは芸術家であ、ということですね。
芸術家は作品のみでなく、生き方も波乱があり、面白いのは
もしかすると、生き方を彫刻作品としてアートにしているからかもしれません。
私も自分の生き方、社会を自分の意志で作れるようにこうして記事を作っています!
(厚かましくすみません(笑))
読んで頂きありがとうございました。